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蘭子の心情


Blog #32 祈り

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Photo by Ranko Iwamoto

ある朝、プールで泳いでいる時に、他界した両親に想いがはせり、ふと、「父上、母上、お早うございます・・・」とつぶやいたのが切っ掛けだった。どうも60歳の誕生日だったようで、
「あなた方の末っ子のRankoもなんと『還暦』となりました」と独り言が続いたように記憶する。「還暦」という、途方も無い年代になって、気分的に私は相当驚いていたらしい。気分は全然変わっていないのに、知らぬ間にこんな年になっていたとは・・・。

以来毎朝泳ぎながら、「ご両親さま」(父母の名)の後に、何と無く、祖父母、伯父伯母、
従兄弟姉妹、と名が続き、その中、この世でご縁があったと思う懐かしい先人や友人の名も加わり・・・更にペットだった猫、犬、母が可愛がっていた九官鳥の名も加わっることになった。

ある時、姉に笑いながらこの習慣のことを話したら、彼女は即座に「RANKOのお経」と表現した。「そう言えば、そうねえ、」というのが私の反応だった。姪のBに、姉との会話を話したら、
「行方不明になった私の猫の『はな』も加えて下さい」、で、「はな」も加わり、毎朝泳ぎながらつぶやく名前のリストはどんどん長くなっていった。今、数えてみたら、65名!

それに「こっち側のみんなから、そっち側のみなさまへ」と、人生の荒波をサーフィン中の
従兄弟姉妹や親しい友人達の名21名もつぶやくから、総数なんと86名となる。「こっち側」の名をつぶやく時は、確かにその人たちの健康と幸せを願う気持ちが含まれているから、
「あっち側」の名をつぶやく時より、「祈り」意識があるから不思議。

他界した人達やペットの名をつぶやくと、祖母がめがねを髪の上部にあげて歩いていた姿や小鳥のメアリーが好物だった海苔の一切れをテーブルでくちばしにくわえる姿などが目前に生き生きとよみがえる。だから、気分的にはスナップ写真を見ている感じで、時には無言の会話をしている気分となろうか。

先日「週刊朝日」の「コンセント抜いたか」(嵐山光三郎)連載で、92歳の俳人金子兜太さんの健康法の「立禅」について書かれていたのを読んで驚いた。「これは立った状態で、自分の肉親や知人友人の名前を順番に頭のなかで唱える」こと、とあったからである。金子氏によると、「朝起きてから体操と竹踏みと立禅を日課として三十分ほどやると、集中力が高まって
気分がすっとする」そうだ。

「立禅」なるものがあることも知らず、それを自分がやっていたらしいことに驚いたわけです。           
by Ranko-120 | 2012-03-27 00:12 | 日課

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