人気ブログランキング | 話題のタグを見る

蘭子の心情


Blog #41:日本から「蜆の味噌汁がやって来た!」

全くひょんなコトから、「点と点」が繋がって思いがけない展開となるものだ。

南カロライナ州のMaryと親しくなったきっかけは、彼女が姉ロザリーの看病にニューヨークにやって来たからだった。ロザリーは私の30年来の友人で、オペラ歌手だった。Maryは2011年の7月頃、「2~3週間の予定」でやってきたが、ロザリーの容態が悪化して、9月に亡くなるまで、3ヶ月近い滞在となった。(1月13日2012年のブログ#25)

哀しい体験を共有したからだろう、Maryと私はたったの3ヶ月という短期間で、まるで幼少時代からの友達のような親しい関係となった。Maryは大変気豆、筆まめで、カロライナに戻ってからも、感謝祭、私の誕生日、クリスマス、イースターなどにあれこれ楽しい贈り物のパッケージを送ってくる。孫2人や家族へのお祝いの買い物ついでに私へも、ということらしい。そして
1週間に一度は「OOOをした、OOOをする」といったEメールで彼女の日常の行動を知らせて来る。私が3日も返信を怠ると、「Are you OK?」「Just checking」と
懸念するメールが来る。話題は日常生活のたわいないコトが多い。例えば彼女の庭に住み着いたカメのこととか。カメMarvinの名付け親は彼女の10歳の孫娘で、ブッシュ元大統領の弟と同じ名前なのよ、とか。

大統領の弟と同名のカメ!
面白い話と、動物好きの友人にそのことをメールしたことから、この友人、雨谷恵美子さんとのメールのやりとりが頻繁になった。ジャーナリスト・コラムニストの雨谷さんが、ユング心理学などに造詣が深いことは30年来のよしみで知っていたが、彼女が楽しくも深い深い内容の物語を書いて人の心を癒すことを目指していることを知ったのは、彼女とのやり取りが頻繁になってからだった。

このやりとりで、私が今度NY育英学園に新理事として参加することになったことに触れたら、この学園のホームページで貝堀りを楽しむ子供たちの姿に、彼女は子供時代に潮干狩りをしたことを思い出した。そのメールで今度は私が祖母と「蜆狩り」をしたことを思い出し、最後にふと、「アメリカ生活でもう30年も蜆の味噌汁を食べていません」と書き足した。彼女が「蜆の味噌汁を送らなくっちゃ」となるなどとは全く念頭に無かった。

日本から、しっかり食べられる「蜆の味噌汁」がやって来た。
この懐かしい思い出の「蜆の味噌汁」がニューヨークの私のところにやって来たのはどんぴしゃりクリスマス・イヴだった。熱湯をかけたらパッと口を開けた蜆にびっくりしながら味わったこの「贈り物」に私の目頭は熱くなった。雨谷さんは郵便局で、「着くのは年明けになりましょう」と言われたそうだから、宇宙からの見えない力が加勢してくれたと思えてならない。

後日談
● 雨谷さんからの「贈り物」の中には「ふやき御汁 宝の麩」も入っていた。熱湯を注いだ途端にパッとおわんの中に「春」さながらに花が咲き乱れた感じとなって、驚いた。あまりの素晴らしさに、独り占めするのは勿体無いと、アメリカ人はもとより、ユダヤやコソボの友人たち、
銀行で親しくなった係り員、郵便配達のアジア系の人たちなどにもお裾分けをして喜ばれた。

Kosovoは、独立間もなく日本が真っ先に「独立を承認してくれた」「日本政府が経済的支援をしてくれた」「東京にコソボ領事館を開けた」と、私が日本人であることから話しかけてきて
親しくなった友人。彼の奥さんのお姉さんは、コソボの元ファースト・レディ。4年ほど前に未亡人となったそうだが、エレベーターに奥さんともども乗り合わせた際に、その奥ゆかしい品格に深く感銘し、後で彼に「奥さんのお姉さんかお母さん?」と訊いて知った。この素晴らしい貴婦人に、是非日本の素晴らしい「宝の麩」の御汁を鑑賞して貰いたい、との願いから数個お裾分けすることになった。

Blog #41:日本から「蜆の味噌汁がやって来た!」_b0206225_821917.jpg

Photo by Ranko Iwamoto

● 「蜆の味噌汁」は、貝殻を貯めて「金槌で叩いて粉にして飲みます」と雨谷さんに書き送ったら、心配した彼女が製造元に連絡し、「社内でも外でも、そうゆうコトをした人はおりませんし知りません。金槌で粉にした位では内蔵を傷つけるかも・・・」で、雨谷さんから「ダメですよ!」とメールが来た。

蜆の殻のサプリメントがあるくらいだから、と本気でやる気でいた私だったが、それで断念した。

Blog #41:日本から「蜆の味噌汁がやって来た!」_b0206225_823098.jpg

Photo by Ranko Iwamoto

お裾分けしたエステルさんは「美味しい!どこで買える?」と訊く。「日本から来た特別の味噌汁だから、まず売ってないでしょう」と答えたら、今度空になったパケージの袋を持参して、NYの日系スーパーで問い合わせると言っている。
by Ranko-120 | 2012-12-27 08:16 | 日課

<< Blog # 42 「ベアテ・...      Blog #40: 贈り物 >>

世界中を飛び回って 活躍中!
by RANKO-120